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2008 年度 実績報告書

サ変動詞の意味・用法の記述的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720103
研究機関群馬大学

研究代表者

小林 英樹  群馬大学, 教育学部, 准教授 (60312865)

キーワードサ変動詞 / 漢語 / 意味 / 用法
研究概要

本年度は、次のようなことを行った。
1. 「除くことを表す漢語サ変動詞」の分析に取り掛かり、分析結果を小林英樹(2009)「漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「除去(する)」、「排除(する」などをめぐって-」(『語彙の意味と文法』)としてまとめることができた。分析によって明らかになったことは、次のようなことである。(1) 「除外(する)」には、ある範囲の中から動かして、ある範囲の外におく「除外(する)」、ある範囲の中に入れないで、ある範囲の外におく「除外(する)」があるが、「排除(する)」についても同様である。「受け入れた以上、排除するのではなく、難民と共生する道を探すべ'きだ(毎日新聞2003年11月20日)」は、ある範囲の中から動かして、ある範囲の外におく「排除(する)」、「改正案は難民をいかに受け入れるかでなく、いかに水際で排除するかに重点を置いている(毎日新聞2003年5月8日)」は、ある範囲の中に入れないで、ある範囲の外におく「排除(する)」である。(2) 「削除(する)」には、取り除くことを表す用法(「また、県教委は藤村氏が関与した県内の旧石器遺跡148遺跡のうち、高森遺跡を含む129遺跡も旧石器時代の遺跡登録から削除する(毎日新聞2003年3月29日)」)、取り消すことを表す用法(「だがその後、高でもねっ造が確認され、県は今年4月、旧石器時代(約1万年以上前)の遺跡登録を削除した(毎日新聞2003年5月19日)」)がある。
2. 「火だつく(火をつける)ことを表す漢語サ変動詞」の分析に取り掛かり、分析結果を小林英樹(2009)「漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「発火(する)」、「着火(する)」などをめぐって-」(『語学と文学』45)としてまとめることができた。分析によって明らかになったことは、次のようなことである。「引火(する)」には、「火」を主語とし、燃えやすいものを二格名詞句とする用法(「その修理工事中に何らかめ火が漏れたガスに引火したらしい(毎日新聞1993年2月1日)」)、燃えやすいもとのを主語とし、「火」を二格名詞句とする用法(「熱風がカウンター内から吹き出したことから、都市ガスが何かの火に引火したとみている(毎日新開1993年2月21日)」)がある。このような交替がるので、「引火(する)」は、火がつくことを表す漢語サ変動詞ではなく、(広い意味での)接触を表す漢語サ変動詞と考えるべきかもしれない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「除去(する)」、「排除(する)」などをめぐって-2009

    • 著者名/発表者名
      小林英樹
    • 雑誌名

      語彙の意味と文法

      ページ: 65-84

  • [雑誌論文] 漢語サ変動詞の意味・用法の記述的研究-「発火(する)」、「着火(する)」などをめぐって-2009

    • 著者名/発表者名
      小林英樹
    • 雑誌名

      語学と文学 45(印刷中)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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