今年度は本研究に使用する声明譜を収集するため、大学、図書館、寺院が所蔵する声明譜の調査を中心に活動した。 第一回調査 叡山文庫(滋賀県大津市) 平成19年8月8日〜8月9日。「諸声明記 一巻」「表白集 一冊」「(諸聲明集) 二帖」「九條錫杖見聞 一冊」「九條錫杖略注 一冊」「妙音院殿聲明集抜写 一冊」の諸本について、閲覧を行った。これらは複写を入手し、研究資料として利用できるようにした。 第二回調査 国立国会図書館(東京都) 平成19年9月18日・9月21日。「魚山〓芥集 一冊」「東寺真言宗血脉記 一冊」「唯密声明諸家口伝事 一冊」「音曲相承次第 一冊」「仏説阿弥陀経 一冊」「魚山私抄 一冊」「三五要録楽目録 一冊」「声明口伝 一冊」「声明口伝 一冊」の諸本について、閲覧を行った。 れらは複写を入手し、研究資料として利用できる状態にした。 第三回調査 東京大学文学部国語研究室(東京都) 平成19年9月19日〜9月20日。「涅槃講式 一巻」「涅槃講式 付舎利講式 永正十二年写一冊」を閲覧し、特に後者については後日複写を入手し、研究資料として利用できるようにした。その他、これらの調査によって利用可能となった資料等の整理、購入したアナログレコード(『聲朋大系』)のデジタル化を行った。これらの調査の成果の一部を利用して、声明曲を複数集成した「声明集」を日本語学の資料として扱う場合の資料性について考察し、「声明集諸本の曲目・本文の異同について」(『島大国文』第32号)に発表済みである。
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