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2008 年度 実績報告書

「朝鮮資料」から見た日本語の変遷

研究課題

研究課題/領域番号 19720109
研究機関京都産業大学

研究代表者

朴 真完  京都産業大学, 全学共通教育センター, 講師 (90441203)

キーワード朝鮮通信使 / 海行〓載 / 捷解新語 / 中世日本語 / 近世日本語 / 否定文 / 漢語 / 朝鮮漢語
研究概要

朝鮮通信使の日本紀行録の集大成《海行〓載》には通信使一行がはじめて接した文物と、それに対応する日本語を記録した箇所がある。17世紀初から18世紀半ばまでおよそ230余年間に及ぶ、以上の文献を対象に「雑制、文字、衣服、飲食、園林、畜産、その他」の部門に分けて分析した。各文献では日本語の意味を説明するとともに、日本語に当たる朝鮮漢語を挙げている。特に朝鮮になかった飲食物名・動植物名などについても細かく観察している。また一部の訓読み語についてはその発音を漢字で表記しており、物の名前の発音についても注意ぶかく観察している。一方『捷解新語』対訳文(韓国語文)から見た否定文の特徴は、否定の文法形態(NEG)が文末に現れることが極端に多い。韓国語の否定文には、NEGが用言の前に現れる短形と、NEGが用言の後に現れる長形が共存していることから見ると、以上の様相は、対訳文が原文(日本語文)の影響を受けた結果と判断される。
以上の資料には朝鮮通信使や日本語通訳官の目から見た日本語に対する生々しい証言を有している。朝鮮語との類似点・相違点についての観察を通じて、中・近世日本語の研究、特に文法・語彙研究の資料として活用することができる。この2年間の研究成果は、来年の研究テーマに発展させたい。例えば「朝鮮資料」の日本語辞書、『倭語類解』、『方言類釈』等の辞書を対象に、当時の日本国内資料『節用集』等を比較し、これらの辞書の間における影響関係について論究したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 朝鮮通信使の日本語観察-語彙研究資料としての《海行〓載》-2008

    • 著者名/発表者名
      朴真完
    • 雑誌名

      『訪日学術研究者論文集』 14

      ページ: 257-286

  • [学会発表] William George Aston's collection of Hangeul materials in the St. Petersburg Branch of the Institute of Oriental Studies and his method of Korean language study2008

    • 著者名/発表者名
      朴真完
    • 学会等名
      The 2nd International Conference on Korean Linguistics
    • 発表場所
      高麗大学校
    • 年月日
      2008-08-16
  • [学会発表] Hae-Haeng-Chong-Jae : As a Clue to Middle-Age and Modern Japanese2008

    • 著者名/発表者名
      朴真完
    • 学会等名
      The XVIII th International Congress of Linguists
    • 発表場所
      Korea University
    • 年月日
      2008-07-25
  • [学会発表] 『捷解新語』の対訳方式-否定表現を中心に-2008

    • 著者名/発表者名
      朴真完
    • 学会等名
      司訳院四学の総合的研究に関する会合
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      2008-06-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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