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2007 年度 実績報告書

統語論・音韻論のインターフェイスに関する研究:語順を律する原理について

研究課題

研究課題/領域番号 19720114
研究機関文京学院大学

研究代表者

塩原 佳世乃  文京学院大学, 外国語学部, 専任講師 (30406558)

キーワード言語学 / 統語論 / 音韻論 / 語順 / 生成文法理論
研究概要

本研究の目的とそのための研究内容は以下の3点に要約される。
1.依存詞並べ替えが、インターフェイス、特に音声形式(PF)制約と、統語的制約の両方を受けていることを、日英語以外の言語、特に音韻論的には英語に近く、統語論的には日本語に近いドイツ語やオランダ語で検証する。
2.語順を律すると考えられている統語的な原理(例えば主要部パラメター)が、インターフェイス制約からどの程度導かれるか、主に英語と日本語の資料や先行研究をもとに分析し考察する。
3.1,2の分析・考察結果が以下の2点を通じて、言語機能の構造とその一般認知体系における位置付けの解明に貢献することを示す。(i)語順を律する原理がPFインターフェイス制約を反映していることを示した上で、意味形式(LF)制約がどこまでPF制約に、さらにはより一般的な言語運用の原理に還元されるかを追求する。(ii)言語機能内での統語構造の構築が、韻律単位をもとに左から右へとなされるのだという仮説がなす予測を検証する。
平成19年度は、動詞句内依存詞並べ替え現象に関する資料とその分析を、質的・量的に改善した。オランダ語・ドイツ語については、それぞれNeeleman博士、Bury博士から直接資料を得て、分析についてもコメントをいただく機会を持つことができた。「言語運用体系の原理に動機づけられたPF制約が語順を律する」という主張を、日本英語学会第25回大会(平成19年11月)と、ドイツ言語学会内Rightward Movement Workshop(平成20年2月)で発表し、聴衆から貴重なフィードバックを得ることができた。特に前者は、自身が共同企画したワークショップ"Linearization across the Grammar"内での講演であり、同ワークショップでの他の発表は語順決定(linearization)について多種多様な言語資料の分析をもとにアプローチしており、その発表者との交流は上記の研究目的2,3に鑑みて意義あるものであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 重さの概念と語順転換2007

    • 著者名/発表者名
      塩原佳世乃
    • 雑誌名

      英語青年 8月号

      ページ: 46-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Why are Grammars the Way They Are: A Functional Formalist View (Review Article of Hawkins(2004))2007

    • 著者名/発表者名
      Shiobara, Kayono
    • 雑誌名

      English Linguistics 24-2

      ページ: 599-626

    • 査読あり
  • [学会発表] Post-cyclic Linearization of Structure with Rightward Dependency2008

    • 著者名/発表者名
      Shiobara, Kayono
    • 学会等名
      Rightward Movement in a Comparative Perspec-tive Workshop(ドイツ言語学会内)
    • 発表場所
      Universitat Bamberg
    • 年月日
      2008-02-27
  • [学会発表] Form and Function of Multiple Dependencies2007

    • 著者名/発表者名
      Shiobara, Kayono
    • 学会等名
      日本英語学会 第25回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-11-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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