研究概要 |
本研究では、日本語母語話者と日本語学習者の意見文に出現するモダリティ(書き手の心的態度)の相違を分析し、日本語学習者に対する作文指導の指針を示すことを目的としている。平成19年度は、既存の作文データ(国立国語研究所2001,2004)を利用し、日本・中国・韓国のモダリティ使用の比較を行った。分析結果については、台湾・元智大学ワークショップ「談話コーパスの構築とその利用・入門編」にて、研究協力者と共同で発表した。これにより、既存データの分析(予備調査)は終了し、本研究で新たに作成・分析するコーパスに必要な作文データの収集を本格的に開始した。 データ収集の具体的手順は以下の通りである。 4月〜5月 日本・中国・韓国の全ての国で無理なく執筆が可能な作文課題を決定 6月〜11月 被験者募集のちらしを作成。3大学、計134名から800字程度の作文を収集 11月〜12月 台湾の大学にデータ収集への協力を依頼。中国語による被験者募集のちらしを作成。最終的に、国立台湾大学でデータ収集をすることが決定 12月末 研究力者が台湾大学にてデータを収集。合計59名から日本語作文を、うち52名からその母語訳の提出があった。データ収集と同時に、日本語学習歴とモダリティ使用との関連を調べるためのデータとして、SPOT(日本語能力測定簡易テスト)を実施 3月 データを入力するためのマニュアを作成 新年度からはデータの整備を開始する予定である。
|