研究概要 |
本研究は,日本における国際結婚夫婦のコミュニケーションに対する認識の特徴,特に外国人妻の認識の特徴を明らかにし,これに家族社会学の見地を加え,国際結婚夫婦における「多言語共生」「対等で互いの違いを認め合う夫婦間コミュニケーション」を目指すことを目的としている。 研究方法としては,主に国際結婚夫婦と日本人同士夫婦に対する質問紙調査であり,必要に応じて聞き取り調査を行うものである。平成19年度は,まずその質問紙作成にあたって,聞き取り調査並びに予備調査を行い,質問項目を吟味・精査した上で,日本語版と6カ国語の翻訳版を完成させた。質問紙の内容としては,夫婦のコミュニケーションスタイル・態度や情動・印象に関する質問事項を中心に,フェイスシートと,夫婦間での使用言語,家庭内での取り決めについての決定権,日本における外国人観とジェンダー観についてである。これらは,夫婦間コミュニケーションのうち,これまでほとんど明らかにされてこなかった国際結婚夫婦,特に外国人妻のコミュニケーションスタイル・態度や情動・印象を明らかにするとともに,「異文化間コミュニケーション」及び「ジェンダー」の二視点を踏まえた内容となっており,国際結婚夫婦を取り巻く日本社会が「多言語・多文化共生」を目指す上で意義深いものと思われる。 平成19年度は,国際結婚夫婦の特徴を浮き彫りにするため,完成した質問紙を国際結婚夫婦及び日本人同士夫婦に対しても配布した。そこで平成20年度は,配布・回収した質問紙を集計・分析し,まとめる予定である。
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