今年度の計画にあった活動に沿って概要を記述したい。 まず、ホームページにおける成果の公表については、データ化作業に着手できなかったため実行できていない。 次に、地域の方々への公開講座での研究成果紹介は、予定通り行うことができた。これに対する情報提供は得られていない。 植民地朝鮮で発行されていた「毎日申報」の全ラジオ欄の抜粋作業を今年度で終えることができた。この作業は、次年度以降予定しているデータ化のための重要な作業である。データ化が終えられれば、複数存在している「国語(日本語)」講座の展開、言い換えれば、どういったレベルの放送がどの時期に放送されていたのかを明らかにすることができ、社会状況と重ね合わせることで、相互にどのような影響を与えあったのかを示すことができるであろう。 韓国でのインタビュー調査は、対象者との連絡が取れなくなったため、実行できなかった。高齢の方であるため、インタビューによる記述は、今後、さらに困難になると思われる。より多くの方の発掘に努力したい。 韓国での現地調査も、今年度は、十分な成果が見込めないために行っていない。今年度の資料を基に来年度は調査を行いたい。 九州大学での国際シンポジウムでは、本研究に関する報告を、朝鮮と他地域との比較、朝鮮の放送の特徴に絞って行い、多くの方の関心が得られた。
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