ラジオ講座で使用されたテキストの探索、当時放送を聞いていた人たちの捜索、ラジオ講座に関する新聞雑誌の記事探索を中心に研究を進めた。ラジオテキストの調査も並行して進め、語学講座としての連携から当時のレコードなどの録音資料も入手している。これらの連携等も本研究の展開の重要なポイントであると認識している。プログラム欄のデータ化については、データ化する項目の選択作業の段階で、今後の研究に生かせるような項目の洗い出しに手間取り、作業があまり進められなかった。これは、単にラジオ語学講座の中の「国語」に絞って抜粋すべきか、教育プログラム全体を把握したほうがよいのか、番組欄のすべてをデータ化したほうがよいのかという問題で、現在もメリットデメリットを挙げての検討作業を進めている。データの掲載されている新聞記事の抜き出し作業は終えているので、22年度には一応の見切りをつけ、入力作業に重点を置きたいと考えている。新聞雑誌記事については、当時の雑誌『週刊少国民』を入手し記事を調査しているところである。21年度は、とくに重要な進展はなかったが、学会等での報告を重ねることにより、学校教育との関連や、新聞連載の日本語教育用講座などとの関連が見えてきており、単にラジオというメディアにとどまらず、新聞や雑誌を含めたマスメディアというくくりでの連携を明らかにする調査研究の可能性が見いだせた。また、韓国語による韓国研究者の前での口頭報告を行い、韓国で研究内容を掲載した書籍が発行され、韓国からの情報提供も期待される状況である。
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