本研究は、日本語学習者に対する教育において、授業の効率化を目的に多様な遠隔授業を試み、その長所、短所及び特性の把握、分析を通して教育現場での直接的な応用を研究するものである。 本年度は、4年計画の最終年度であるため、「教室参加型遠隔画像音声授業(ティーム・ティーチング授業)」の形態で韓国人日本語学習者を対象として遠隔授業を実施するとともに、論文及び今までの研究をまとめた報告書の作成を進めた。 遠隔授業では、韓国外国語大学校の一年生の講読授業に日本語ネイティブ教授者が遠隔で参加し、韓国人教員とともに日本語ネイティブ教員として補助的に授業をサポートした。そして、最終授業では、授業並びにネイティブ教員の役割に関して学習者にアンケート調査を実施した。 また、昨年度実施した研究に関する2本の論文を学術誌に発表し、遠隔授業の多様な授業方法に関する形態を考案した。論文の内容は、韓国放送通信大学校の一年生及び四年生の出席授業(スクーリング)に日本語ネイティブ教授者が遠隔及び対面で参加し、授業の効果を比較したもの、韓国外国語大学校での15週間にわたる読解授業時に行ったインターネット画像通話機能を利用したティーム・ティーチング授業に関するものである。 さらに、一昨年度に実施した「対面授業+教室参加型遠隔画像音声授業」に関する研究についても、2010年8月に行われた世界日本語教育大会にて発表を行い研究者間の意見交換を通して、研究内容を周知するとともに研究に関するさらなる知見を得ることができた。
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