研究の最終年度である平成21年度は、「日本人英語学習者の派生接辞付き英単語の認知に関する研究」に関する本実験から得られた結果をさらに分析し、関連学会での発表および論文投稿を行った。 (1)学会発表 前年以前に行った実験の結果を分析し、まとめて、「日本人英語学習者による英語派生語の認識処理」として第35回全国英語教育学会鳥取大会(鳥取大学)(2009年8月8日)にて発表した。 (2)論文投稿 上述の研究発表において得られた意見などを考慮の上、論文としてまとめ、投稿した結果、「全国英語教育学会紀要(ARELE)21号」へ掲載された。 本研究から明らかになったことをまとめると、日本人英語学習者は、英語母語話者と同様に、派生語を1語として心的辞書内に貯蔵すると同時に、その派生語を構成する基体および接尾辞も心的辞書内に貯蔵していることが分かった。派生語を1語として処理することも、切り分けて処理することもできることが分かったが、切り分けの条件として、意味や形式の上で明白性が高いということが必要であることが分かった。しかし、初級者では、1語として処理する場合が多いことが分かり、英語習熟度により処理に違いがあることが分かった。
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