平成20年度における本研究の焦点は、理工系学生が自分の「英語コミュニケーション意欲」として報告している内容と、英語の授業と模擬国際会議における彼らの実際の英語使用との関係について調査し、考察することであった。ビデオ撮影による録画とアンケートを利用して、英語の授業における教室での学生のコミュニケーション行動を追跡調査することが可能であった。この研究によって英語の「コミュニケーション意欲」(WTC)に関するモデルを対人関係の観点から解釈し、説明するという新しい創造があった。学生たちの報告から彼らの英語の「コミュニケーション意欲」は3つの要因からなる。一つ目の要因は教育的な状況で彼らが思う彼らの英語能力。自信を大いに持っている学生は英語のコミュニケーション意欲も高い。2つ目の要因は話す対象となる人物。学生たちの報告によると自分より英語能力が高い相手に対してコミュニケーション意欲がある。なぜなら彼らはその相手と関わることにより英語を上達することができるからだ。結果として日本の学生のコミュニケーション意欲が高まるのは、英語の外国人講師や留学生、英語の授業中の日本人の英語講師である。3つ目の要因は会話の状況の目的により学生のコミュニケーション意欲が左右される。例えば英語を練習することが目的であれば学生は何人もの人に英語を話し、書く。しかしながら彼らの英語力を上達することが目的となると、学生たちは英語が熟練した高いレベルを持っていると思われる人に対し英語を話したり書いたりしたいと報告された。
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