研究概要 |
本年度は,さらなる学習者のパフォーマンス・データの収集と,アプチチュード・データの収集を行うとともに,蓄積されたデータの分析を行い,両データベールの関連づけを行った。具体的には,次のように研究を実施した。 1. 学習者の特性を明らかにするため,特に習熟度に関しては約120人の学習者に対して,TOEIC Bridgeテストを用いて,英語力を測定した。 2. いわゆる個人差要因である,学習観・動機づけ・学習方略についてもあわせて質問紙調査を行って,調査票を電子化した。 3. 学習者の適性(習熟度ならびに個人差要因)に関して,特に個人差要因の観点から学習者の類型化を行って,個人差要因の類型別と習熟度の関連や,具体的なパフォーマンスの実例を整理した。 また,パフォーマンス・データベースに関しては,言語運用を引き出すためのタスクとして,多肢選択形式の読解タスク,与えられた状況に応じた自由英作文タスク,そして音読タスクを用いることによって,次のように研究を実施した。 1. 100語程度の英文の段落をクローズ形式にし,文脈から推測して適語を選択するタスクを用いることで,総合的な読解力を測定した。 2. 場面・状況・目的を設定して,30分間で300語程度のエッセイを書くというタスクを用い,英作文の能力を測定した。 3. これらのデータを電子化した後,アプチチュード・データベースと組み合わせた。 このような手順を踏まえ,3年の研究期間における最終年度である本年度には,アプチチュード・データとパフォーマンス・データを連携させた,どのような習熟度・個人差要因を背景とした学習者が,どのようなパフォーマンスを行うのかというアチーバブル・ベンチマークを開発した。
|