英語の発話の分析では、流暢さ・正確さ・統語的複雑さ・語彙的複雑さの4側面から「談話分析的指標」を用いることが多い。これらの指標は研究で頻繁に用いられているにもかかわらず、それぞれの指標にはどのような特徴があり、どんな場合にどの指標を用いるべきかについて、あまり議論されていない。本研究は、複数の指標の特徴をより包括的に探ろうと試みた基礎研究である。研究の結果、熟達度の変化・違いを一貫して示すことができる指標は「1分あたりの延べ語数」であること、各指標は、ある程度関係しあいながらスピーキング・パフォーマンスの一部をなすこと、自己紹介タスク・絵描写タスクにおいては、指標間で解釈を一般化しやすく、タスクの違いによっては解釈があまり異ならないことが示された。
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