研究課題
本研究の目的は、音響学、教育評価・測定、英語教育の知見を取り入れ、主観的な評価と客観的に測定できる特徴量の両面から英語学習者の音読における韻律を捉え、それらの値を付与した英語学習者の音声データベースを作成するための基礎的な研究を行うことである。対象とする英語学習者は日本人であるが、多くアジアの英語学習者からデータを収集した。111名の英語学習者から音読データを収集し、すべてのデータはCEFに基づいて訓練された6名の教師により評価値が付与され、項目応答理論に基づいて分析を行った。英語学習者の音読データは、研究代表者が、研究協力者の所属する大学を訪れ、直接インタビューを行い収集した。評価データの分析は、1変数の項目反応理論に基づいて行うため、100人以上のデータ収集を目標にしていたが、今年度中にこの目標は達成され、111人の音読データを収集することができた。音声認識のために開発されたスピーチ・プロセッシング開発用のツールキットであるHidden Markov Model Toolkit (HTK)に母語が異なる学習者(タイ語、韓国語、日本語)を学習させ、音響モデルを構築させ、構築した音響モデルにより、音素のアライメントを行い、音読データのそれぞれの母音、子音の時間長を計測する予定であったが、研究協力者の協力を得て音素アライメントを行い、自身での音響モデルの構築は次年度に行うこととした。音読データの評定者として、英語教育またはその関連分野で修士号を持つ語学教師を募り、CEFに基づいて訓練を行い、評定者の使用感を参考に評価のためのウェブ・サイトを作成し、収集したデータすべてに評価値を付与した。今年度の研究の成果は、日本音声学会、環太平洋応用言語学会で発表した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
Proceedings of 12th Conference of Pan-Pacific Association of Applied Linguistics
ページ: 176-179
ページ: 224-227
第21回日本音声学会全国大会予稿集
ページ: 51-55