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2008 年度 実績報告書

順序尺度としての学年に基づいた日本人のための英語リーダビリティ推定式の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19720149
研究機関立命館大学

研究代表者

田中 省作  立命館大学, 文学部, 准教授 (00325549)

キーワードリーダビリティ / 言語教育学 / 統計数理
研究概要

本年度の主な成果は天の3である.
1. 日本人英語学習者のリーダビリティ意識に関わるデータの蓄積
リーダビリティについて英語母語話者と日本人英語学習者(以後, 日本人)で異なる意識がみられる英文書データの蓄積を行った. 母語話者に対する学年レベルが付与された英語圏のリーディング教材で, 物語文・説明文のジャンル別で日本人大学生を被験者としたリーディング実験し, 収集した. 実験では連続した3学年各1文書の計3文書を1組として読解し, その後3文書における絶対的な難易度・相対的な順位等を付与した.
2. リーダビリティ推定式との関係性の調査
1のデータの粗い分析では, 説明文において日本人の意識は母語話者と同順, 一部の物語文において保存されない, という傾向がうかがわれた. そごで提案手法および従来のリーダビリティ推定式(母語話者向け7種・日本人向け2種)と日本人の意識の関係について精査し, 特に物語文については語彙の難しさ以外に「テキストの量(〓文数)」が大きな影響を与えていることが明らかとなった. これは非現実的な設定も比較的許される物語文において, テキスト量が少ない場合には, たとえ語彙が易しくても十分な文脈を構築できず, 総合的理解に至らないことが推測された. 推定式でテキストの量を考慮しているものは少なく, 今後の重要な観点である. また物語文においても, ある程度の量を超えると日本人は難しくも感じていることから, 量がリーダビリティに必ずしも線形に作用しているわけではないことも示唆された.
3. 数理モデルの精錬
昨年度の順序口ジットモデルから比例オッズ性を仮定しない数理モデルを検討した. 現在のデータ量に対してモデルの自由度が高すぎるため, 具体的な推定式の構築は見送った. 今後のデータの蓄積に合わせて徐々に現モデルを複雑化していけば, より高精度な推定式の構築が期待される.

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 言語資源とその処理技術を活用したL2語彙の習得レベル判定2009

    • 著者名/発表者名
      木村恵, 田中省作, 八島等, 依田みずき
    • 雑誌名

      英語コーパス研究 15

      ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 言語処理技術と教材作成の連携2009

    • 著者名/発表者名
      神谷健一, 田中省作, 北尾謙治
    • 雑誌名

      自然言語処理

      ページ: 14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristics of Japanese Junior High School English Texts2009

    • 著者名/発表者名
      Kitao, K. and Tanaka, S.
    • 雑誌名

      文化情報学 4(1)

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語圏のリーディング教材を用いた日本人英語学習者のリーダビリティ意識の調査2009

    • 著者名/発表者名
      神戸有美子, 田中省作
    • 雑誌名

      統計数理研究所研究リポート 233

      ページ: 49-59

  • [雑誌論文] 文分類モデルに基づいた多様なレベルのESP特徴表現抽出の試み2009

    • 著者名/発表者名
      田中省作, 小山由紀江
    • 雑誌名

      統計数理研究所研究リポート 233

      ページ: 21-33

  • [雑誌論文] 順序尺度としての学年を指標とした日本人英語学習者のための英文書リーダビリティの推定2009

    • 著者名/発表者名
      田中省作
    • 雑誌名

      統計数理研究所研究リポート 233

      ページ: 35-47

  • [学会発表] 文法情報の自動検出技術を用いたリーディング教材の作成と評価2008

    • 著者名/発表者名
      小林雄一郎, 田中省作, 後藤一章, 徳見道夫, 朝尾幸次郎
    • 学会等名
      語彙研究フォーラム2008第1回JACETリーディング研究会・英語語彙研究会合同研究大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] 英語圏のリーディング教材を用いた日本人英語学習者のリーダビリティ意識の調査2008

    • 著者名/発表者名
      田中省作, 神戸有美子
    • 学会等名
      語彙研究フォーラム2008第1回JACETリーディング研究会・英語語彙研究会合同研究大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] 最近の言語処理事情と言語教育への応用可能性2008

    • 著者名/発表者名
      田中省作
    • 学会等名
      筑紫女学園大学「コーパスを用いた日本語作文支援環境の構築」研究会
    • 発表場所
      筑紫女学園大学
    • 年月日
      2008-12-01
  • [学会発表] 学校英文法コーパスの提案-デザインと応用可能性-2008

    • 著者名/発表者名
      小林雄一郎, 田中省作, 後藤一章, 徳見道夫, 朝尾幸次郎
    • 学会等名
      NLP若手の会第3回シンポジウム
    • 発表場所
      熱海金城館
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] 言語処理を活用した英語教育事情-できそうなこと, できそうにないこと-2008

    • 著者名/発表者名
      田中省作
    • 学会等名
      LEIS月例英語教育公開講座
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 学校英文法コーパス構築の試み2008

    • 著者名/発表者名
      田中省作, 小林雄一郎, 徳見道夫, 朝尾幸次郎
    • 学会等名
      人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      ときわ市民ホール
    • 年月日
      2008-06-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.cl.ritsumei.ac.jp/CALL/OLR/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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