本研究は「小学校アクションリサーチグループの結成と推進」「小学校英語活動の評価規準の提案」を研究目的とした。第1の目的は、平成19年度に「授業研究サポートシステム」というアクションリサーチグループを結成し、夏期特別講座における授業研究のスターター講座、月1回の定期勉強会、授業研究の個別カンファレンス、研究成果発表会、報告書の作成などを行い達成した。平成19年度の研究成果は「授業研究サポートシステム2007年度研究報告書」としてまとめ、福岡市内の全公立小学校に配布した。第2の目的に関しては、平成19年度に「福岡市小学校英会話活動研究委員会」を基盤に研究グループを組織し、低学年・中学年・高学年部に分かれて、各々研究授業の実施とその検証を、小学校英語活動の評価規準に照らし合わせて行い、研究成果は研究成果発表会において報告し、また報告書をまとめ福岡市内の全公立小学校に配布した。これらの意義は、(1)小学校英語活動におけるアクションリサーチという、教員主導型の教員研修の新しい形や、(2)評価規準をどのように活かしていくかという具体的な事例研究を全市に向けて提案できたことである。その重要性は、小学校英語活動の必修化を目前に控えたこの段階で、評価の仕方があいまいなまま実施されてきた小学校英語活動の目的、カリキュラム、指導内容、指導方法、子どもの見とり方、評価の活かし方などについて、「具体的な」推進方法を軌道修正できた点にあると考えている。平成20年度はこれらの成果とともに、背景調査として実施した児童アンケートの分析結果を口頭・論文発表などによって広く公開した(口頭発表 : 日本児童英語教育学会6月、小学校英語教育学会7月2件、全国語学教育学会11月、論文発表 : 小学校英語教育学会紀要第9号、他投稿中2編)。
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