本研究は、語彙の学習おいてモバイルラーニング(mラーニング)とeラーニングとを効果的に融合したコンテンツの作成を目的とした研究である。先行する学習機器を活用した英語教材の多くは、それぞれ単独での使用を考えて作成されているためいくつか問題点があり、特に学習の一貫性という点で非常に問題があった。一般的に、eラーニングでの学習はPCを利用して行うが、その内容はコンテンツ内で完結しているため、PCのない環境では復習などの反復学習はしにくいということである。そこで、eラーニングで学んだ内容の定着をはかるために、通学時間等ちょっとした時間を有効活用できるように携帯電話や携帯型音楽プレーヤを利用して反復的に学習すること、つまりmラーニングとの融合を考えた。今年度は、これらの機器を有効に活用した語彙学習用のソフトを作成するにあたってどのような点に配慮すべきかを、語彙習得やeラーニング関連の先行研究等を元に分析、考察を行った。英語学習では、文字情報(単語とその意味、基本例文など)と音声情報(発音、例文の音読など)が最低限必要であるが、学習者にどの程度情報を提供するのが適切かはそれぞれの機器によって異なるため、各機器の学習利用時における特性とそれに合わせたコンテンツの作成に特に配慮しなければならない。そこで、学習システムの基本形としては、大量の情報が提示可能なPCを中心に据え、携帯型の端末にその情報の一部をデータとして転送するのが適切だと思われる。この点を基本として、eラーニング教材開発の、特に技術面について専門家の協力を得て実際にコンテンツを作成した。現在は、その動作確認中であり、平成20年度において、ソフトを活用した語彙学習の効果等について、本校が区政を被験者とした実験に基づいて検証する予定である。
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