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2009 年度 実績報告書

古代ローマ帝国における言語接触と西部地域におけるラテン語の浸透過程

研究課題

研究課題/領域番号 19720156
研究機関武蔵野音楽大学

研究代表者

志内 一興  武蔵野音楽大学, 武蔵野音楽大学・音楽学部, 講師 (60449288)

キーワード西洋史 / 多文化の共存 / 言語接触 / 文化接触 / ローマ帝国 / 地中海 / マルチカルチュラル / 文化変容
研究概要

本研究課題の一つの区切りとなったこの三年度目には、夏期休暇期間を利用し、ローマ支配時代にラテン語の幅広い浸透の見られた、北アフリカ地域(チュニジア)への研究旅行を実施し、その地域における土着語(フェニキア・カルタゴ(ポエニ)語、リュビア語)とラテン語の接触の様態を確認した。また次いでエジプトにも赴き、その地のエジプト語、ギリシア語、ラテン語三言語使用の状況を調査した。また一方で北にも関心の幅を広げ、プリタンニア(現イングランド)における古代の温泉保養地バースで発見されている「呪詛板」文書の検討も行った。これは盗難にあった物品の返還を、バースの温泉湧出地に宿る女神(スリス=ミネルウァ)に願うため、盗人を呪う文言を鉛板に記して源泉に投げ込んだものが発見されたものであるが、そこに記された盗品の「些細さ」から、中下層民の手になるものと推測される。その言語(ラテン語、及び島嶼ケルト語?)は、ブリタンニアへのラテン語普及について、多大な情報を提供してくれるものであり、その成果の一部は既に雑誌に発表し、また平成22年6月の「西洋古典学会」にて報告する予定である。
さてこの三年間の成果は、現在出版計画及び執筆の進んでいる共著『(仮)ラテン碑文で楽しむローマの歴史』(研究社)の中の、ローマ共和政期におけるローマとイタリア半島の言語についての章、そして単著『古代史テキストシリーズ(仮)多言語の地中海世界』(聖公会出版)での記述を通じて、来年度以降に社会へと還元していく予定である。こうしたことからも、本研究への三年にわたる補助の成果が、大変実り多いものであったことを証明できるものと思う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ローマ帝国の歴史とバース出土の「呪い文書」2009

    • 著者名/発表者名
      志内一興
    • 雑誌名

      歴史と地理(世界史の研究) 220

      ページ: 58-62

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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