平成20年度は、前年度に引き続き、畿内近国地域における守護系戦国大名、主に佐々木六角氏、および関連する守護系戦国大名関係史料の収集・調査・撮影に努めた。主な調査・採訪史料は以下の通りである。 まず、滋賀県においては「興隆寺文書」(近江八幡市)・「今宿区有文書」(大津市)・「野矢文書」(東近江市)、岐阜県においては「崇福寺文書」(岐阜市)・「龍福寺文書」(富加町)・「少林寺文書」(各務原氏)、京都府においては「実相院文書」(京都市)、大阪府においては「森田文書」(羽曳野市)・「末永文書」(大阪狭山市)、兵庫県においては「本興寺文書」(尼崎市)・「円通寺文書」(豊岡市)・「山本文書」(養父市)、岡山県においては、「吉備津神社文書」「米井文書」「豊楽寺文書」(岡山市)・「弘法寺文書」(瀬戸内市)、広島県においては「山野井文書」(広島市)、徳島県においては「上月文書」(徳島市)、愛媛県においては「石手寺文書」(松山市)・「大野文書」(砥部町)・「愛媛県立歴史文化博物館蔵文書」(西予市)、東京都においては「天妙国寺文書」、神奈川県においては「二神文書」(横浜市)等である。また調査に御協力いただき、連携を深めることができた団体は、滋賀県近江八幡市・同東近江市・同草津市、兵庫県豊岡市、岡山県瀬戸内市・同和気町の各教育委員会、徳島県立博物館・岡山県立博物館・広島県立博物館・岐阜市立歴史博物館・大阪狭山市郷土資料館・品川区立品川歴史館・神奈川大学常民文化研究所等である。 以上の調査をもとに、佐々木六角氏関係史料の翻刻・デジタル化を行い、データの蓄積・整理を行っていたところ、幸いにも(株)東京堂出版の申し出を得ることができ、2009年度中に、戦国時代の佐々木六角氏関係史料集成たる『戦国遺文佐々木六角氏編』の出版を行うことが決定した。本年度はこの史料集の原稿作成・校正も調査と並行して行った。同時に将来的なフルテキト・データベース化のため、必要な検討・打ち合わせを行った。
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