本研究においては、 (1) 守護系戦国大名の典型たる佐々木六角氏の関係史料を網羅的に収集・蓄積し、それらを翻刻・活字化・校訂・整理し、帰納的に分析することで、大名権力像を明らかにすることを目的としたい。そのためには、上述のように、前提作業として多様な史料を収集・蓄積すると同時に、それらを有効利用するための効率的な整理方法を検討することが不可欠であり、その方策も探って行きたい。すなわち、細目録情報・書誌情報・フルテキスト等の史料から抽出しうる諸情報をデジタルデータ化し、その上で、申請者の職場である史料編纂所の有する諸データベースと有機的に連絡を図る方策の構築を目指したい。 (2) 一方で対象とする史料は、同族である佐々木京極氏や佐々木尼子氏、同じ畿内周辺地域の守護系戦国大名たる赤松氏等にも可能な限り目配りをし、近江=滋賀県のみならず、畿内周辺地域、佐々木氏関係史料の多くのこる中国地方、また近世に入り江戸幕府により集められた古文書集等(内閣文庫・国会図書館所蔵)収載史料をも視野に入れて、広く積極的に収集し、比較検討することとしたい。
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