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本年度においては、前年度に実施した基礎的なデータ収集を基に、当該時期におけるカストリ雑誌の整理・分析を実施した。
さらに、前年度に判明したカストリ雑誌研究の現状((1)書誌的な面でのカストリ雑誌の分析などの蓄積は確認できたものの、戦後の国内文化史上におけるカストリ雑誌の位置づけについての研究がほとんどなされていない、(2)そのため、周辺文化にあたる同時期(1950年代)に出版された他の書籍類・雑誌類(書籍・新聞・コミックなど)の発行の実態調査の必要性)に鑑み、特にカストリ雑誌の出版に関わる編集者・発行人などの複雑な相関関係について、考察を加えた。
その結果、刊行・流通の実態に不明な点が多いカストリ雑誌にあって、編集者・発行人の活動には確定的な情報が存在しており、また、貸本や非合法な出版など、同一時期における他種の出版物にもその足跡を残していたことが具体的になった。そこで、特に編集長が漫画家・高野よしてるとしても知られる『奇抜雑誌』など、特徴的なカストリ雑誌を選定し、編集者および発行人の動向を調査することで間接的に当時のカストリ雑誌の刊行・流通の実態を探り、成果を得た。
なお、本研究で得られた調査・研究の成果については、随時報告書や学術論文として発表していく準備も同時に実施した。
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