研究概要 |
07年度は大衆文化関係・社会教育関係を中心に基本的な文献史料の収集を行い,同時に地域における史料発掘・調査に力点をおいて研究を行った。 岩手県北上市和賀地域の史料については,残存状況がおもわしくなく,岩手県内および秋田県にまで範囲を広げて史料の調査を行った。また,その他全国各地域で発行されていた「母の歴史」に類するサークル誌・生活記録運動誌の所在を可能なかぎり把握し,一部(千葉県など)は収集することが出来た。また,研究の途次において,1950年代における歴史教育分野での「母の歴史」の実践活動・記録の重要性を確認し,社会教育のみならず歴史教育学に関する文献の収集も並行して行った。 母親大会・母親運動については,全国機関紙・北海道・高知・千葉など地域母親運動史の文献を収集することが出来た。長野県母親大会・母親運動については基本的な文献を整理し,長野市婦人会館所蔵・長野県連合婦人会文書の1部目録を作成した。また,信濃史学会編『長野県民の戦後六〇年』(信毎書籍出版センター2008年)の叙述に反映させることが出来た。社会運動としての母親大会の叙述を地域史のなかで,端緒的に試みることができ,地域女性史研究に対して基礎的な事実・素材を提供することが出来た。 長野県山吹村宮下家文書の整理については都合により効果的に実行することが出来なかった。
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