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2009 年度 実績報告書

近代日本における「脱教団的」仏教者の社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720167
研究機関京都大学

研究代表者

谷川 穣  京都大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (10362401)

キーワード近代日本 / 仏教史 / 宗教史 / 社会史 / 僧侶 / 脱教団 / 佐田介石 / 浅野研真
研究概要

本年度は研究の最終年度にあたり、一定の成果を出すべく、幕末・明治期の「脱教団的」僧侶である佐田介石について以下の作業を行った。1、昭和初期に介石を研究・顕彰した仏教社会学者・浅野研真について、彼が遺した膨大な文書群の目録を完成させる。2、介石の後を追った無名の仏教者の動向を解明する。3、それらを近年の宗教学・歴史学の研究成果の中に位置づける、という3点である。具体的には、1では国立国会図書館等での史料調査によって、新聞雑誌スクラップ史料の出典特定につとめ、ほぼ特定作業は終了し、介石関係の研究資料の翻刻も進めた。2では介石の弟子を自称する僧侶の足跡について、東京大学法学部明治新聞雑誌文庫や横浜開港資料館などで新たな史料を発見し、その検討に取り組んだ。当初は彼らの住んだ山形県鶴岡市・静岡県沼津市や、浅野の出身地・名古屋市などでの聞き取り・史料収集も行う予定であったが、それ以前に、むしろ大都市での言論・結社に従事した介石と弟子たちの活動の特質が浮かび上がったという格好である。そして3では、前年に刊行した明治前期の仏教に関する著書の内容を発展させ、学術雑誌や学会で成果を世に問うとともに、当該期の宗教史・思想史に関する学術論文の最薪動向を検討し、学術雑誌に公表した。以上の結果、宗派の枠に縛られず活動する近代的な僧侶や、彼らを時に利用し、時に熱狂する民衆のありようがある程度明確になった。そして過年度での成果とあわせて、佐田介石とそのフォロワーたちの全貌を解明する総合的研究の基盤はいよいよ固まったといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 分離せず、衝突せず -明治期の教育と仏教の一側面-2010

    • 著者名/発表者名
      谷川穣
    • 雑誌名

      宗教研究 83巻4輯

      ページ: 132-133

  • [雑誌論文] 「教」の時代-近代日本形成期の仏教と民衆教化・僧侶養成・俗人教育-2009

    • 著者名/発表者名
      谷川穣
    • 雑誌名

      季刊日本思想史 75号

      ページ: 36-53

  • [雑誌論文] 宗教・思想-(2008年の歴史学界・回顧と展望 日本近現代)2009

    • 著者名/発表者名
      谷川穣
    • 雑誌名

      史学雑誌 118巻5号

      ページ: 174-176

  • [学会発表] 分離せず、衝突せず -明治期の教育と仏教の一側面-2009

    • 著者名/発表者名
      谷川穣
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス
    • 年月日
      2009-09-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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