研究概要 |
1,大極殿関係史料の収集。(1)平安時代前期の史料にみえる大極殿関係史料の収集をおこない,A4判史料カード約500枚を作成した。(2)『大日本史料』第一編(現在28冊,補遺編刊行中)記載の大極殿関係史料のテキスト入力をおこない,最終年度に予定している『大極殿関係史料(稿)』電子データ版に収載するための準備を進めた。元慶3年(879)10月から天暦元年(947)までの基本史料の入力を終えた。以上の2点は,現在復原工事中の平城宮跡第一次大極殿正殿の細部意匠を復原的に考察する上での,基礎的作業としても重要である。加えて,最終年度の成果物作成を視野に入れつつ,(3)既刊行史料集収載史料の古写本との校合作業を開始した。 2,平城宮第一次大極殿院関係の発掘調査資料の整理研究。(1)大極殿院およびその周辺で出土した木簡約5000点の整理検討をおこない,大極殿院の造営,解体などにかかわる資料を確認するとともに,大極殿院西半部で出土した木簡の再釈読,整理をほぼ完了した(平成21年度に奈文研史料として刊行予定)。 3,成果の公開(1)2007年6月,研究代表者が勤務する奈良文化財研究所の学術情報リポジトリにて,本申請研究の基礎となる『大極殿関係史料(稿)一・二』のインターネット公開を開始した。現在までに,合計9000件以上のアクセスと110件のダウンロードとがあり,発行部数の少なかった冊子版の欠を補い,広く一般の利用に供することが可能となった。(2)平城京内に建立された西大寺食堂院の発掘調査成果をまとめるなかで,古代から中世までの寺院食堂にかかわる文献史料を検討し,古代寺院における儀式や作法の検討をおこなった。
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