1、大極殿関係史料の収集。(1)平安時代前期の史料にみえる大極殿関係史料の収集をおこない、A4判史料カード約500枚を作成した。(2)『大日本史料』第二編(現在29冊、刊行中)記載の大極殿関係史料のテキスト入力をはじめ、最終年度に予定している『大極殿関係史料(稿)三編年史料之二』電子データ版に収載するための準備を進めた。以上の2点は、現在復原工事中の平城宮跡第一次大極殿正殿の細部意匠を復原的に考察する上での、基礎的作業としても重要である。 2、平城宮第一次大極殿院地区の発掘調査資料の整理研究。(1)大極殿院およびその周辺で出土した木簡約5000点の整理検討をおこない、出土木簡全点の再釈読、整理を完了した。これらのうち、1文字以上の釈読可能な木簡1600点余りの正式報告書は、『平城宮木簡七』として2010年1月に刊行予定であり、今年度の作業として、総説の前半(約60頁)、木簡全点の釈文(約400頁)、図版109プレート(全体で160プレート程度を予定)を作成した。まを、第一次大極殿院西半部を対象として刊行される奈良文化財研究所編『平城宮発掘調査報告17』(2011年3月刊行予定)の原稿のうち、研究代表者が担当する木簡の事実報告部分の原稿を執筆した。 3、成果の公開 昨年度公開をはじめた学術情報リポジトリ版『大極殿関係史料(稿)一・二』は、現在までに、合計20714件のアクセスと242件のダウンロードとがあった。
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