研究課題
本研究の基礎的な素材となる歴史文献はその多くがいまだ公刊されておらず、手写本の状態で世界各地に所蔵されている。本年度はパキスタンのカラチに赴き、パキスタン国立博物館に所蔵される関係資料を調査した(旅費)。またイギリス、フランスの研究機関に所蔵される手写本史料のマイクロフィルム複写を収集することに注力した(その他)。これらによって複写を得られた資料は、ムガル帝国のペルシア語の歴史書などである。これらは電子的な画像データに転換して(その他)、調査・整理中である。南アジア社会のイスラーム化における推進力の一つであったイスラーム神秘主義の聖人たちの働きばかりでなく、彼らを取り巻く政治権力者たちの動向についても、いくつかの貴重な情報を得つつあるところである。また今年度は研究計画の最終年度にあたるため、これまでに本研究で得られた知見を研究史の中に定位させるため、南アジア史、イスラーム史関係の研究文献も昨年度以上に多数収集し、所属機関に備えた(物品費)。また本研究のテーマと密接に関連する、南アジアの歴史意識の形成と展開について、本研究において収集した資料等を調査し、その知見を学会で報告し(次頁11.研究発表〔学会発表〕の項)、論文として公表した(同、〔雑誌論文〕の項)。また本研究のテーマと密接に関連する改宗の問題について、南アジア史におけるイスラーム改宗の諸問題に関する研究報告を行った(同、〔学会発表〕の項)。
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紀要(神戸大学文学部)
巻: 38(印刷中) ページ: 51-107
Encyclopaedia Iranica.Online Edition http://www.iranica.com/articles/kandahar-from-the-mongol-invasion-through-the-safavid-era
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