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2007 年度 実績報告書

文献史料および出土文字史料よりみた漢魏交替期の国家支配と地域社会

研究課題

研究課題/領域番号 19720186
研究機関日本女子大学

研究代表者

阿部 幸信  日本女子大学, 文学部, 准教授 (60346731)

キーワード孫呉 / 長沙呉簡 / 漢魏交替期 / 地域社会 / 戸調 / 江南 / 国家支配 / 広域支配
研究概要

[出土文字史料調査]申請時に公表されていた賦税類大木簡(嘉禾吏民田家?)ならびに小型竹簡の一部(竹簡壱)のみならず、新たに出版された竹簡弐をも参照して、漢魏交替期の長沙一帯における地域社会の諸様相について考察した。とくに、先行研究の乏しい「調」に関する竹簡の記録・図版を精査した結果、それが従来文献から説明されていたような徴発一辺倒のものではなく、地域社会における物流調整を担う制度であったことが明らかになった。これは、漢代における「調」が西晋の「戸調」へと展開していく過程をたどるうえで、重要な意義をもつものである。
[文献資料調査]『後漢書』『三国志』にみえる「調」関連の記述を集め、検討を加えた。漢晋間の制度の継承・展開については、これまで、王権の継承関係と同様に、漢-魏-西晋という流れを重視する傾向が強かったが、地域社会における生産構造と密接に関わる徴発・物流に関しては、孫呉と東晋との地域的連続性により注目する必要があろう。しかし、それを文献から直接読み取ることは難しく、結果として生まれたのが、上述のような先行研究の傾向であった。こうした文献史料の特徴・限界を把握することも、出土文字史料との併用を目指すうえでは肝要である。
[成果公表・情報収集]「中国中古史中日青年学者聯誼会」(北京・8月)では、近年の日本における前漢末〜漢魏交替期に関する研究動向を整理・紹介した。九州史学会大会(福岡・12月)、公開シンポジウム「簡牘の世界」(新潟・3月)、瀬戸内魏晋南北朝史研究会(岡山・3月)では、漢魏交替期における江南地域社会を出土文字史料を用いつつ考察するうえで必要な、多くの知見を得た。その成果をも交えながら、「調」に関する研究を『立正史学』誌に寄稿した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 長沙走馬楼呉簡所見調納入簡初探2008

    • 著者名/発表者名
      阿部 幸信
    • 雑誌名

      『立正史学』 103

      ページ: 31-50

  • [学会発表] 日本魏晋南北朝史研究的新動向2007

    • 著者名/発表者名
      佐川英治・阿部幸信・安部聡一郎・戸川貴行
    • 学会等名
      中国中古史中日青年学者聯誼会
    • 発表場所
      北京大学中古史中心
    • 年月日
      2007-08-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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