これまで一次資料による実証研究がほとんどなされてこなかった漢奸裁判について、関連史資料の収集につとめ、主に判決表や陳述書、速記録などを収集、分析することができた。これらの資料の中で、特に判決結果など各裁判資料によって漢奸裁判では具体的に何がどのように裁かれ、どのような判決結果が下されたのかについて考察し、漢奸裁判の実際についてうかがうことができた。 また、本研究のもうひとつのテーマでもある戦犯裁判との比較については、両裁判との比較によって、当時の国民政府の戦後処理における、両者の位置づけをより鮮明にすることができた。
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