• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

「ジンバブウェ問題」からみるイギリスの脱植民地化過程の史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720198
研究機関創価大学

研究代表者

前川 一郎  創価大学, 文学部・人間学科, 准教授 (10401431)

キーワードイギリス / ジンバブウェ / 植民地主義 / 脱植民地化
研究概要

本研究の目的は、近年、白人大農場制の解体と土地接収が国内外に衝撃を与え、植民地支配の責任問題について国際社会に再考を促した「ジンバブウェ問題」を取り上げ、その背景にある歴史的事情を考察することである。具体的には、ジンバブウェに対する旧宗主国イギリスの「植民地責任」は独立によって清算された、とする国際社会の声に着目し、こうした認識が、「軟着陸」といわれたイギリス特有の脱植民地化を背景に生まれた経緯を明らかにする。すなわち、今日の「ジンバブウェ問題」をイギリスの脱植民地化の歴史に位置づけ、そこにみられる現代史の植民地主義的性格を検証する試みである。
この目的のもとに本年度は、研究全体にわたる研究史を整理したうえで、「ジンバブウェ問題」の歴史的背景をイギリス側の事情に即して分析した。その成果の一部は「歴史学としての植民地責任」として発表し、さらに永原陽子編著(青木書店から本年度中に刊行予定)所収の論文「イギリス植民地問題無責任論と脱植民地化」としても発表する予定である。後者の論文は、戦後イギリス政府が繰り返した植民地問題終焉論(「植民地支配の責任は終焉した」という言説)は、国際社会における自らの位置を常に意識したイギリス政権中枢の脱植民地化政策を反映しているということ、それは同時に過去に対するイギリス政府の歴史認識の表れであることを、主に第二次文献に依拠して論じたものである。この問題をさらに実証研究レベルで検討することが、来年度の主な課題となるだろう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 歴史学としての植民地責任2009

    • 著者名/発表者名
      前川一郎
    • 雑誌名

      創価大学人文論集 20

      ページ: 5-24

  • [学会発表] Comment on the "Empire as an Imagined Society"2007

    • 著者名/発表者名
      前川一郎
    • 学会等名
      大阪大学・北大スラ研共催シンポジウム
    • 発表場所
      大阪大学中ノ島センター
    • 年月日
      2007-12-09

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi