研究課題
2007年度はパプアニューギニア(PNG)で森林開発を行うマレーシア華人の活動とネットワークに関する調査を行うために、1.国内での文献調査、2.国外での現地調査、3.国内・国外での研究発表を行った。以下、具体的な活動内容について述べる。1.に関してはPNGにおける森林開発の概況と、マレーシア華人の国際的な活動に関する研究に関する文献資料の収集と分析を行った。その結果、PNGにおける森林開発に関しては統計資料に依拠した報告書や環境問題に在地住民が如何に関わっているかをテーマとした研究が多いが、PNG国内の森林伐採に関し無視できない存在となっているマレーシア華人やマレーシア企業をテーマとしたものはほとんど存在しないことが明らかになった。また、マレーシアから国外に移住する華人に関する研究も、断片的な報告にとどまり、本格的な民族誌は存在しないことが明らかになった。2.に関しては、2007年7月30日から9月21日にかけてマレーシアを訪問し、首都クアラルンプールおよびサラワク州の州都クチンで関連する資料収集を行った。またクアラルンプールではマラヤ大学および華社研究中心を、クチンではマレーシア大学サラワク校を訪問し、それぞれ現地の研究者との意見交換を行った。さらにサラワク州のラジャン川流域のシブ、カピット、ブラガといった都市を訪問し、森林伐採に従事する人々や、マレーシアからPNGへと移住する人々に関する調査を行った。3.に関しては、日本国内では日本文化人類学会の研究大会、立教大学「人の移動と文化変容研究センター」が主催した国際シンポジウム、および日本華僑華人学会の研究大会で研究発表を行い、これまでの調査研究の成果を公表した。また日本国外では、2007年8月にクアラルンプールで開催された第五回世界アジア研究者会議で英語による研究発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
人の移動と文化変容研究センター編『国際的な人の移動と文化変容』ハーベスト社
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『華僑華人研究』 4
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Center for Human Migration and Acculturation Studies(ed.)International Symposium on the Human Migration and Acculturation in the Pacific Rim. Rikkyo University.
ページ: 11-23
http://www.minpaku.ac.jp/research/sr/19720239.html