平成20年度は、昨年度に引き続き、GHQにおいて法律家として法制改革に深く携わった、アルフレッド・C・オブラー及びトーマス・L・ブレークモアに関する史料収集を行い、収集した史料の分析を行った。9月の1日から8日にかけて、ワシントンD. C. のInstitute of Current World Affairs、メリーランド州のNational Archivesにおいて史料の収集を行い、また、出張期間内に、ニューヨークにおいて、フレークモアと深い親交のあったフィリップス・タルボット氏に対するインタヴューを行った。また、生活クラブ生活協同組合が所有し、現在あきる野市の組合施設に保管されているブレークモア関連史料について、前年度に撮影したテータを整理し、生活クラブ生活協同組合と取り交わした覚書に従って、データの複製を作成して手交した。また、ブレークモア夫妻に関する研究会の活動の周知にも努め、本科学研究費の終了後も、地域において主体的に研究が継続されるよう、枠組みの設定に務めた。 本科学研究費によって収集した史料及び購入した書籍による知見を踏まえ、『法学研究』誌上に「「亡命ドイツ法律家」アルフレッド・C・オプラー-異文化接触としての占領期法制改革-」と題する論文を公表した。また、研究年度終了後ではあるが、平成21年5月28日〜29日に国際文化会館において開催される「トーマス・L・ブレークモア記念シンポジウム戦後日本の法と実務 : 戦後の法改正とその影響」において、「トーマス・L・ブレークモアと日本法-東京帝国大学の学生として、GHQの法律スタッフとして-」と題する報告を行う予定である。
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