ドイツのナチズム期における自然保護関係の立法としてどのようなものがあったかを調べ、これらが当時の水準からすれば先進的なものであったこと、これらが、ナチス政権のプロパガンダとして、またゲーリングという個人の権力欲から成立した立法であったことを確認した。次に、これらの立法の背後にあった思想と、その成立過程を検討した。これらの立法が、「人種の浄化」というイデオロギーとうまく結びつくものであったこと、しかしそれだけではなく、当時の労働者階級による「レクリエーション」の要請といった、様々な運動・イデオロギーとも結び付きうるものであったことを明らかにした。
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