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2007 年度 実績報告書

表現の自由と人格権との調整に関する基本的枠組み

研究課題

研究課題/領域番号 19730015
研究機関岩手大学

研究代表者

上村 都  岩手大学, 教育学部, 准教授 (30374862)

キーワード表現の自由 / 人格権
研究概要

1.本研究は、表現の自由と人格権の双方に配慮した調整のための憲法判断の枠組みについて、ドイツ連邦憲法裁判所判決およびドイツの憲法学説を中心に検討することを目的としている。
2.まず、本年度は、前科公表の可否をめぐる議論について、わが国の判例とドイツの判例とを比較し、両者の衡量の際の諸要素が具体的衡量に際してどのように作用するのかについて検討を加えた(この研究成果は、「時の経過」(名城法学57巻)として発表した)。わが国では、これまで衡量に際し、どのような事柄を考慮すべきかという点に重点が置かれており、具体的な事柄が衡量の際にいかなる作用を及ぼすかについての検討を行ったものは見当たらない。衡量の際の作用は、衡量結果にも影響を及ぼすものであり、作用の基軸を確定しておくことはきわめて重要なことである。本研究の特徴は、衡量のためのルールや諸要素ではなく、衡量の作用の方向性について明らかにしたことにある。
3.とはいえ、表現の自由と人格権とをどのような基準により衡量するかは、具体的な問題解決に際して重要となる。そのため、本研究では、上記の研究と平行して、衡量ルールのリーディング・ケースとされるドイツ連邦憲法裁判所の判例とその後の判例法理の展開についても若干の検討を加えた。モデル小説の公表の是非(出版差止め)や、名誉毀損の場合における真実性の証明の問題などは、わが国にも共通に当てはまる問題である。ドイツの調整法理について整理・検討を加えることは、わが国における同様の問題を検討する際に何らかの示唆を与えるものと思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「時の経過」-「絶対評価」と「相対評価」-2007

    • 著者名/発表者名
      上村 都
    • 雑誌名

      名城法学 57

      ページ: 183-205

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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