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2009 年度 実績報告書

憲法解釈学における国家理論の役割とその変容―ドイツ憲法学史を題材に

研究課題

研究課題/領域番号 19730017
研究機関東京大学

研究代表者

林 知更  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30292816)

キーワード憲法 / 国家 / ドイツ
研究概要

2009年度に実施した研究は、大きく5点に分けられる。第一に、現代における憲法理論・国家理論の変容とその意義について、主にEUとの関係で比較的近年のドイツにおける注目すべき議論を取り上げ、分析した。その主な成果は、6月の比較法学会総会で発表され、これに補充的な研究の成果を付加して論文としてまとめたものを、学会誌『比較法研究』に寄稿した(公刊は2010年度の予定)。第二に、戦後ドイツ憲法学における国家理論の代表的論者として、Ernst-Wolfgang Bockenfordeを取り上げ、その憲法学史上の位置づけを探る論文を、年度初めに執筆した。この第一点と第二点に関する研究の成果は、坂口正二郎編『自由への問い3・公共性』(岩波書店、2010年)に寄稿された林知更「政治過程における自由と公共」の中で、より広い理論的文脈の中に位置づけてその意義を測定すべく試みられた。第三に、カール・シュミットを中心としたワイマール期憲法理論の研究を継続した。この年度は、シュミットの国際法論(『大地のノモス』を中心に、ナチス期の広域秩序論やワイマール期のヴェルサイユ体制論にまで遡って)と初期の独裁論について、検討を進めた。第四に、ドイツ憲法学史の特徴を比較を通してより深く理解するために、同時期のフランス憲法史・憲法学史の基礎的な理解を獲得するための作業を継続した。この年度は、ドイツ憲法学に造詣の深い近年のフランス憲法学の代表的論者であるOlivier Beaudの二つのモノグラフィーを中心に、両国の憲法学の特色について理解を深めるべく努めた。第四に、年度の最後の数ヶ月、政教分離論に関する研究に従事した。これは、日本の最高裁大法廷の違憲判決(2010年1月20日)を契機とするものだが、ドイツ憲法史および憲法理論の変遷に関する研究と、我が国の具体的な憲法解釈論との接点を主題化するものとして、本研究の応用としての意味を持った(成果の発表は次年度)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 国家学の最後の光芒?-ベッケンフェルデ憲法学に関する試論2009

    • 著者名/発表者名
      林知更
    • 雑誌名

      法律時報 May-09

      ページ: 123-134

  • [雑誌論文] 議院内閣制-法と政治の間で2009

    • 著者名/発表者名
      林知更
    • 雑誌名

      法学セミナー Nov-09

      ページ: 32-36

  • [学会発表] 日本憲法学はEU憲法論から何を学べるか2009

    • 著者名/発表者名
      林知更
    • 学会等名
      比較法学会第72回総会
    • 発表場所
      神奈川大学
    • 年月日
      2009-06-07
  • [図書] 憲法学の現代的論点〔第2版〕2009

    • 著者名/発表者名
      林知更など共著者全12名
    • 総ページ数
      55-81, 115-14
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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