本研究は、憲法学の課題と方法に関する基礎理論的な研究として、とりわけ憲法解釈論に対して国家理論が果たしてきた役割とその今後の可能性についての検討を、19世紀から現在に至るドイツ憲法学史を主たる研究対象としながら行うものである。特に、19世紀の一般国家学が果たした役割とその衰退の持つ意味、ワイマール共和国の反実証主義的な新しい憲法理論の意義と位置づけ、戦後西ドイツにおける憲法論のあり方の変化という三点に焦点を当てて検討を進める。これによって、日本における憲法論の体系の再検討を進める上でも、有益な示唆が期待される。
|