ペルーの憲法史における大統領制の特徴的傾向を把握し、そこではまず、他の国家権力(司法権)との関わりにおいて、大統領制が常に国家機関の中心的地位を占めてきた点が明らかになった。そしてそうした大統領中心型の統治形態を支える社会構造が、歴史的には「共和国=公共性」としての実体をつくり出せなかったこと、さらには「共和国」を体現するはずの「共和国大統領」のありよう(大統領制)は、今日の「グローバリゼーション」との関わりから見れば、途上国一般がそうであるように、強い国際的経済社会的な文脈に規定されている点を明らかにした。
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