本研究は、電気通信事業における競争評価(有効競争レビュー)について検討し、特に「市場の画定」に焦点を合わせて、新たな視点を提示することを目標に、経済法学的見地から検討を試みた。海外諸国の法制度及びその実態を踏まえた比較法的な研究をも行うことによって、現行法の解釈論のみならず、実態の分析に基づく法政策論も含めて研究を行うものであった。 本研究は、競争法(独占禁止法)の知見を基礎にして、有効に競争が機能しているかどうかを判断するための前提となる「市場」のとり方について、電気通信サービスの特性を念頭に置きながら、あるべき基準の解明を行った。
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