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2009 年度 実績報告書

今後の労働契約法制―とくに「労働者」概念について―

研究課題

研究課題/領域番号 19730049
研究機関学習院大学

研究代表者

橋本 陽子  学習院大学, 法学部, 教授 (00292805)

キーワード労働者概念 / 労働契約
研究概要

2009年度は、4名のドイツ労働法研究者と共同で、2007年に公表されたプライス教授とヘンスラー教授のドイツ労働契約法草案について検討を進め、翻訳を公表することができた(日独労働法協会会報10号51~95頁)。同草案は、研究者の立法提言であり、立法化に向けて大部な条文の形に整えられたものであったが、その後のドイツの政治的社会的情勢からは、労働契約法の立法の実現可能性は乏しいようである。しかし、同草案は、基本的に、現行法および現在の判例法理の内容を維持して、1つの法典にまとめることによって透明性を高めることを目的とするものであるので、現在のドイツにおける労働契約法理の到達点として、十分に検討に値するものといえよう。
とくに本研究との関係では、同草案における労働者概念の検討が不可欠である。そこで、同草案に対する批判も含め、同草案の労働者概念の特徴を明らかにする作業を行った。これは、2010年度中に小論として公表する予定である。
その他の2009年度における作業としては、ドイツ労働法およびEU労働法の最新の動向を把握できるよう、研究を進め、その成果の一部として、ドイツにおける最低賃金規制である労働者送り出し法の改正に関する検討やドイツの非正規雇用法制に関する検討を論文にまとめた。2010年3月には、ゲッティンゲン大学のクラウゼ教授にドイツの労働者派遣法について学習院大学で講演をしていただき、均等待遇原則の実態について、アクチュアルな情報を得ることができ、非常に有益であった。同講演の翻訳は、2010年度中に公表予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ドイツの非正規雇用(不安定雇用)に関する法規制の特徴2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      世界の労働 12月号

      ページ: 34-42

  • [雑誌論文] 最低賃金に関するドイツの法改正と協約遵守法に関する欧州司法裁判所の判断2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      学習院大学法学会雑誌 45巻1号

      ページ: 1-47

  • [雑誌論文] 障害に関する直接差別およびハラスメントのEU法上の意義-欧州司法裁判所大法廷2008年7月17日先決裁定、Case C-303/06, Coleman v. Attridge Law, Steve Law [2008] ECR I-5603-2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      貿易と関税 11月号

      ページ: 77-81

  • [雑誌論文] 全額払いの原則と合意による相殺-日新製鋼事件・最二小判平成2・11・26民集44巻8号1085頁-2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      労働判例百選(第8版)

      ページ: 72-73

  • [雑誌論文] 短時間正社員・短時間勤務制度-ワーク・ライフ・バランスと労働法-2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      ジュリスト 1383

      ページ: 76-82

  • [学会発表] Labor Law and Foreign Trainees(Gaikokujin Kensyusei) in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 学会等名
      2009年韓国外国語大学法科大学院国際セミナー
    • 発表場所
      韓国外国語大学(ソウル)
    • 年月日
      2009-11-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.gakushuin.ac.jp/univ/g-law/lawschool/c/book/19_hashimoto.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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