保険法の立法にあたっては法制審議会保険法部会において保険募集の際の保険者・保険募集人の情報提供義務に関わる規定の新設が検討されたが、そこでは保険者側の情報提供義務を保険法(保険契約法)の枠組み、すなわち私法の枠組みのなかで規律していくべきか、あるいは、従来通り保険業法における情報提供規制に委ねるべきか、が主たる論点となった。その後成立をみた保険法は、保険金の支払時を含めて情報提供義務に関する規律を設けないという結論を示したが、このことは、情報提供義務に関し今後も保険業法における規制および私法理論を通じて保険契約者保護を図るという選択がなされたことを意味している。 本研究課題は、この情報提供義務を保険法の枠組みのなかで規律していくべきか、あるいは、保険業法における情報提供規制に委ねるべきか、前者の立法形式を採用するドイツ法との比較法研究もふまえながら、保険契約者保護を図るうえでの望ましい立法のあり方について検討するものである。
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