本研究では、次のような研究成果が得た。第一に、特許法一般における発明開示要件の理論的意義と法的構造について幅広い知見を得た。第二に、ソフトウエア関連発明の特許法による法的保護の日米欧における現状につき明らかにした。第三に、特許法による保護対象の限定を緩和する反面で発明開示要件の充足を厳格化することの意義を提言した。第四に、侵害訴訟における特許無効の抗弁事由としての発明開示要件の充足について一定の方向性を提示した。第五に、「イノヴェーション促進を考慮した情報技術関連発明の特許法による保護のあり方」へ向けた望ましい制度設計論に関する項目の明確化を図った。
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