中国環境訴訟の研究:司法過程に見られる被害救済の阻害要因について

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19730092
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 新領域法学
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 櫻井 次郎 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教 (40362222)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 環境法 / 環境訴訟 / 中国

研究概要

中国の環境訴訟では、審理過程において因果関係の有無が感覚的な推測にとどまり、汚染源である被告の帰責事由が十分に明らかでなくても、損害賠償請求や差止請求溺認容されえることが明らかとなった。この理由としては、中国の訴訟が調停的性格を持ち、現地社会の安定が重視されていることが指摘され得る。また、深刻な汚染被害者が提訴に踏み切れない現状を踏まえ、公益訴訟の制度化に関する中国国内の議論と今後の展望について検討した。

研究成果

• [雑誌論文] 中国における「公益訴訟」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 雑誌名: 比較法研究 70号 ページ: 203-208
• [雑誌論文] 現代中国の環境公害訴訟に関する一考察-福建省寧徳市の化学工場汚染事件に焦点を当てて- (2008)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 雑誌名: 名古屋大学法政論集 224号 ページ: 101-134
• [雑誌論文] 中国における環境汚染被害とその救済の現状 (2008)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 雑誌名: 季刊環境研究 150号 ページ: 17-24
• [雑誌論文] 中国広東省大宝山鉱由周辺の鉱害問題 (2007)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 雑誌名: 環境と正義 106号 ページ: 10-12
• [学会発表] 現代中国の環境公害訴訟に関する一考察 (2008)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 学会等名: 環境法政策学会
  • 発表場所: 広島修道大学
  • 年月日: 2008-06-14
• [学会発表] 中国における「公益訴訟」 (2008)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 学会等名: 比較法学会
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2008-06-07
• [学会発表] 中国における公益訴訟の議論状況一環境問題を中心に (2007)
  • 著者名/発表者名: 櫻井次郎
  • 学会等名: アジア法学会
  • 発表場所: 大阪女学院大学
  • 年月日: 2007-06-23
• [備考] 名古屋大学法政論集のHP
  • URL: http://ir.nul.nagoya-u.ac.jp/dspace/handle/2237/10641