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2007 年度 実績報告書

ブレア労働党政権期イギリスの対EU政策とEU共通社会政策の形成・転換に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730101
研究機関筑波大学

研究代表者

近藤 康史  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00323238)

キーワード構成主義 / イギリス政治 / EU / 比較政治
研究概要

本研究の目的であるブレア政権期イギリスの対EU政策を分析する作業として、構成主義に基づく理論枠組の形成を行った。構成主義的アプローチは、主に次の三つのレベルに整理し、体系化されうる。第一に、ある社会構造や事象を、言説ないしは観念として社会的に構成されたものと捉える「社会構成主義」のアプローチである。主に社会学の領域で展開され一定の蓄積を見たアプローチであり、言説分析を有力な方法的基盤とする。第二に、「政策パラダイム」や「知識共同体」の機能に着目しつつ、政策や制度の形成を論ずる「アイディアの政治」のアプローチである。これらは、比較や事例分析といった方法に拠りながら、「社会構成主義」と比べてより具体的な内容を伴う公共政策やプログラムを分析対象としている。第三に、さらにミクロな過程に焦点を当て、あるアイディアやシンボル、レトリックによって様々なアクターの認知がどのように変化し、その結果ある政治的帰結へ向けて「動員」されたかに重点を置くアプローチがある。「フレーミング理論」がその代表であり、統計的な手法なども用いられる。これらの三潮流の統合と体系化を図りながら、トータルとして「三層モデル」と呼ぶべき分析枠組を形成した。
この枠組に基づきつつ、ブレア政権期イギリスの対EU戦略を、様々な対EU政策やEUへのコミットメントを通じて(メゾ・レベル)、既存の「ヨーロッパ」言説の転換を図り(マクロ・レベル)、その言説をも利用しながらイギリス市民社会を「ヨーロッパ」的方向へと動員しようとする(ミクロ・レベル)試みとして位置づけるための準備的作業も行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 構成主義的政治理論の三層モデル2008

    • 著者名/発表者名
      近藤, 康史
    • 雑誌名

      論叢現代文化・公共政策(筑波大学) 7

      ページ: 65-85

    • 査読あり
  • [学会発表] 構成主義的政治理論の三層モデル2007

    • 著者名/発表者名
      近藤康史
    • 学会等名
      日本政治学会
    • 発表場所
      明治学院大学
    • 年月日
      2007-10-06

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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