日本政治研究における最重要概念である「政党支持」概念について、(1)同概念の歴史的形成過程、(2)アメリカの政党帰属意識概念との比較、(3)日本の政党支持概念の特性と代替概念の検討、という3つのアプローチから見直しを試みた。世論調査データを分析した結果、有権者がイメージする政党支持概念の意味内容は多様であり、支持政党によって同概念に対する理解が異なること、および計測法の違いによって支持政党分布には大きな差異が見られることが明らかになった。従来「ワイルド・カード」として使われてきた政党支持概念は、今後、基底的態度(unmoved mover)や投票行動など、意味内容の限定された下位概念を区別する必要性がある。
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