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2007 年度 実績報告書

専門性による統治の確立:20世紀前半のアメリカにおける独立行政委員会制度の展開

研究課題

研究課題/領域番号 19730106
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岡山 裕  慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (70272408)

キーワードアメリカ / 専門家 / 専門性 / 規制政策 / 行政委員会
研究概要

本研究課題の初年度となる本度は、当初の予定通り1910年代に設置された2つの重要な独立行政委員会である連邦準備制度理事会(FRB)および連邦取引委員会(FTC)についてその設置過程を分析したが、それぞれについて重要な知見を得られたと考えている。
まずFRBについては、2006年度に日本比較政治学会で報告した予備的考察を元にして、なぜ政府任命の委員のみから構成される政府機関という、当時の中央銀行制度に関する「常識」から明らかに逸脱した形態を持つFRBが政策当事者に受け入れられたのかという観点から、当時の政治家の個人文書、新聞、連邦議会の議事録等の一次史料を精査し分析を行った。その結果、FRBがその提案者らによって同じく合議制をとる既存の政府機関である合衆国最高裁や州際通商委員会と結びつけられて正当化され、このロジックがFRBへの反対派によっても取り上げられて広範に受け入れられたことが明らかとなった・この議論を組み込んで、2008年度アメリカ中西部政治学会で報告すべく論文を作成した。
FTCについては関連する研究を収集・検討する以外に、夏期にワシントンDCにて史料調査を行い、FTC設置に向けた連邦議会関連の史料、とくに公聴会における議事録を入手した。主にデジタルカメラで撮影する形をとったため、現在本格的な分析に向けてこれら史料を整理している段階であるが、部分的に分析を行ったところ、FTCが先行する行政委員会である州際通商委員会と類似のものとして構想されたことが明らかになり、次年度にはこの知見を踏まえて論文を執筆したいと考えている。本年度の研究を通じて、アメリカで行政国家化が進んだとされる20世紀においても、裁判所をベースにもつ初期アメリカ国家以来の国家形成の伝統が存続していたという仮説が支持されつつあり、次年度には成果を雑誌論文の形で公刊したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 二大政党-争点志向の政治への適応2007

    • 著者名/発表者名
      岡山 裕
    • 雑誌名

      久保文明・有賀夏紀編『個人と国家のあいだ』(ミネルヴア書房)

      ページ: 87-109

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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