本研究は、韓国憲政史における歴代憲法の持続と変化のダイナミズムについて、新制度論における制度的均衡と均衡制度の観点から実証的に解明しようとするものである。韓国憲法の生成・持続・変化のダイナミズム(均衡制度)は、その核心である大統領制がどのようにデザインされ、政治的効果や帰結(制度的均衡)をもたらすのかに大きく規定されていることが明らかになった。敗者(少数派)の同意と勝者(多数派)の自制、そしてそれらを担保する民主主義の源泉でありアンカーとしての市民というエージェンシーの存在を可能にするように憲法がデザインされている場合、憲法は持続するが、そうでない場合、憲法は持続せず変化する。1948年憲法や1962年憲法は持続せずそれぞれ新憲法で以って代替された半面、1987年憲法は今日においても依然として現行のままであるというヴァリエーションが見られるのも、こうした理由である。
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