研究概要 |
本研究の最終年度である本年度は,当初の研究計画の初年度に想定した3分野のうち,前2年間の研究実績を踏まえつつ,各都道府県における「条例による事務処理特例」制度に基づく協議制度及びその運用に関する特性の把握に努めた. 具体的には,前年度に引き続き,都道府県から市町村に対する事務権限移譲に関する各資料(各都道府県の事務処理特例に関する条例及び各都道府県作成による事務移譲計画,各種メディア報道記事,国レベルにおける審議状況等)の収集とその整理に努めた.また,初年度に実施した複数の県に対する聴き取り調査結果から,前年度の研究では,協議主体のもう一方である基礎的自治体における意思決定機構及び庁内調整機構の現況把握の必要性を痛感したことを踏まえて,本年度は,前年度に引き続き,主に基礎的自治体における意思決定機構及び庁内調整機構の現状及びその各種改革動向の特性に関して,実態面の把握を主眼におき研究を実施した.本年度は,同研究に注力したこともあり,当初の予定で示した都道府県における現地聞き取り調査の実施には及ばなかったものの,各府県レベルでの資料面での確認作業により,これを補完した. 同研究を通じて,自治体間及び自治体内における協議制度の,全国的動向及び個別自治体内での同制度の運用特性を明らかにすることができた.これらの研究を通じて,本研究の目的である地方政府間での協議の一般的な形態の把握に向けた,研究基礎を築くことができた.
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