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2008 年度 実績報告書

日本の援助行政(ODA)における政府の責任のディレンマとそれが援助に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 19730119
研究機関京都産業大学

研究代表者

芦立 秀朗  京都産業大学, 法学部, 准教授 (00387995)

キーワード援助行政 / 国民参加型援助 / ネットワークによるガバナンス / 日本
研究概要

政府(ヒエラルキー)でも市場(マーケット)でもない統治(ガバナンス)の方法、つまり「ネットワークによるガバナンス」を分析する研究者(特に英国やオランダの学者)は、政策実施の責任と政策調整(策定)の責任を暗黙裡に区別し、多様な主体か照構成されるネットワークに政策実施を委ねても、政府が調整する責任は残ると暗黙裡に考えている。当該年度の研究においては、アメリカ型の連邦制やEUを除けば、政策実施に携わるネットワークの調整では政府(ヒエラルキー)の役割が高まると明示的に仮説を立て、聞き取り(理論的整合性に関して)と量的研究により検証を行った。
1. 聞き取り :「ネットワークによるガバナンス」の第一人者であるピッツバーグ大学のピーターズ教授と頻繁に連絡をとり、私見に関するコメントを求めたが、概ね異論はない様であった。また、公共政策学会各セッションでの報告や質疑応答か照も研究者の仮説が誤りではないとの印象を持った。
2. 量的研究 : 先行研究では日本のコンサルティング企業が援助行政に与える影響が大きく取り上げ照れてきた。しかし、「国民参加型援助」の様に国内の多様な行為者を援助行政に参加させる時代にあっては、政府の調整能力が却って注目され、先行研究とは逆に援助行政がコンサルタントの行動原理に影響を与えることが予想される。国建協のデータをもとに分析を行った結果、その予想が正しいとの結論が得られた。また、日本のNGOに関しても、政策実施における役割に比べて政策策定段階の役割が相対的に小さい可能性が示された。これらは次年度以降に論文として公表される予定である。
日本の援助行政のこうした変化は、オランダの教育政策や福祉政策、英国の社会政策などと共通であり、日本の援助行政が特殊だとする先行研究に異を唱えるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Foreign aid policies in the presidential and parliamentary syst ems : Beyond the institutional differences.2008

    • 著者名/発表者名
      Ashitate Hideaki
    • 雑誌名

      Interdisciplinary Information Sciences 14(2)

      ページ: 145-153

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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