研究概要 |
2009年度は研究の最終年度であった。海外基地の起源、終焉、継続についてのまとめとして、International Studies Associationの年次研究大会(米New Orleans)で発表をした("Understanding Overseas Military Presence : How It Starts, Ends, and Endures")。どのようにして基地が始まるのかについては、戦争、占領、引渡し(大国から大国へ)、先住民の強制移動、共通の戦略的インタレスト、報酬(経済的、軍事的)、テクノロジー(飛行可能距離の延長)が関係しており、終焉については戦略的環境の変化、駐留国の国力低下、テクノロジー、政権交代・革命、ナショナリズム、駐留国の国内政治などが影響を及ぼすことを述べ、基地の始まりと終わりは必ずしも同じ要因が関連しているとは言えないことを指摘した。また、国際環境が変化した後もなぜ基地が継続するかについては、不透明な戦略環境への保険、勢力圏、低コスト、などを挙げた。海外米軍基地の発展を歴史的そして数量的に捉えるものとしては、Area Studies Tsukuba誌に"Predominance of U.S.Global Military Presence : Personnel, SOFAs, and the Command Structure"を発表した。海外に派遣されている兵力、SOFA(地位協定)締結数の変化や、米国が世界をいくつかの地域に分けて軍事的に担当している統合軍の説明から、米軍の世界的プレゼンスの優位勢を描いた。
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