本研究は、ヴァイマール共和国時代のドイツにおいて活発に展開された、ドイツとオーストリアとの「アンシュルス(合邦)」を目指す運動に関する研究である。「アンシュルス」運動は、ドイツとオーストリアが「民族自決権」を掲げて「一民族一国家」としての統合を要求したナショナリズム運動のひとつであるが、本研究は、その「アンシュルス」運動の中に「ヨーロッパ統合」を目指す要素も存在していたことに注目し、「アンシュルス」と「ヨーロッパ」という2つの要素がどのように結びついていたのかを、政治史・外交史の方法によって探求したものである。
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