研究概要 |
2009年度は,主として三つの柱を立てて研究活動を遂行し,以下に挙げるそれぞれの業績を公表することができた. (1) 台湾籍民の制度的実態.オランダ領東インドのみならず,日本の植民地法制を理解するため各種の文献史料を収集・解析し,台湾籍民の形成を日本の植民地法制の展開との関連において調査研究した.この観点からの研究活動は,日本の植民地法制に関する專門書の書評論文としてまとめ,学術雑誌に掲載することができた. (2) 植民地における混血の問題.植民地住民の法的地位について近年研究の活発な混血の問題について研究を進めた.オランダ領東インドにおいては混血の問題が重要な位置を占めたこともあり,台湾籍民のみならず広く華人と現地住民との関係についても資料収集を進めた.基礎的な作業として,植民地における混血問題を論じた著作を翻訳,刊行することができた. (3) オランダ領東インドにおける住民の法的地位の歴史的概観.上記に整理した研究成果を全体の法制度に位置づけるべく,研究対象となる台湾籍民を含め,オランダ領東インドにおける住民の法的地位の概観を整理し,国際会議において報告することができた. また,研究活動を広く公開する意図により設置したHPの拡充に努め,いくつかの業績についてはPDFのファイルをアップし,入手可能な環境を整えた.
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